コラム

乳がんの高濃度乳房通知を受けた方へ!判定の意味と次に知っておきたいこと

乳がん検診の「高濃度乳房」通知は病気ではなく乳房の「タイプ」を示すものです

乳がん検診の結果に「高濃度乳房(デンスブレスト)」という記載があり、不安を感じていませんか。結論から申し上げますと、高濃度乳房は病気や異常を指す言葉ではなく、乳房の構成(タイプ)を示す医学的な分類のひとつです。心配な点は、検診を受ける医療機関に相談してください。

しかし、高濃度乳房には「マンモグラフィでがんが見つかりにくいことがある」という課題があります。ピンクリボン京都では、専門医や行政と連携しながら、この「検診の質」に関する情報を発信してきました。高濃度乳房という通知を受け取ったら、まずは自分の乳房の特性を知り、マンモグラフィに超音波検査を組み合わせるかどうかを、医師と相談して選びましょう。

高濃度乳房(デンスブレスト)の定義と4つの分類

乳房は主に「乳腺組織」と「脂肪組織」で構成されています。マンモグラフィ検査において、乳腺組織は白く写り、脂肪組織は黒く写る性質があります。高濃度乳房とは、この乳腺組織の密度が高い状態を指します。具体的には、以下の4つの分類に分けられます。

  • 脂肪性:乳房のほとんどが脂肪で、全体が黒く写る。
  • 乳腺散在:脂肪の中に乳腺が散らばっている状態。
  • 不均一高濃度:乳腺が多く、白い部分が目立つ状態。
  • 極めて高濃度:乳腺が非常に密で、全体が真っ白に写る状態。

このうち「不均一高濃度」と「極めて高濃度」の2つが、いわゆる高濃度乳房と呼ばれます。乳がん(腫瘍)もマンモグラフィでは白く写るため、背景が真っ白な高濃度乳房の場合、がんが背景に紛れて見つけにくいという特性があるのです。これが、通知が行われる理由のひとつです。

高濃度乳房通知を受けた際のメリットと注意点

通知を受け取ることは、自分の体の特性を知る大きなチャンスです。自分のタイプを知ることで、検診の受け方を医師と相談しやすくなります。

通知を受けるメリット

  • 検査の組み合わせを相談する手がかりになる:マンモグラフィだけでなく、超音波(エコー)検査を併用するかどうかを医師と相談する手がかりになります。
  • 自己チェックの意識が高まる:自分の乳腺の状態を知ることで、日々のセルフチェックに対する重要性を再認識できます。
  • 現在の状態を知る手がかりになる:年齢とともに乳腺の構成は変化することがありますが、現在の状態を基準として経過を追うことができます。

注意すべきポイント

「異常なし」という判定は、必ずしも「がんがない」ことを保証するものではないことに注意が必要です。マンモグラフィの画像が白くなることで、小さながんが隠れてしまっている可能性(偽陰性)を考慮しなければなりません。そのため、通知を受けた場合は、検査の組み合わせを医師と相談して選びましょう。

早期発見のために知っておきたい具体的な手順と選択肢

高濃度乳房と通知された場合、どのような行動をとればよいのでしょうか。以下に、考えられる手順をまとめます。

手順1:超音波(エコー)検査の併用を検討する

高濃度乳房の方の選択肢の一つは「超音波検査」です。超音波検査は、乳腺が白く写る高濃度乳房であっても、がんを黒い影として捉えられる場合があり、マンモグラフィで見つけにくい病変を発見するのに役立つ場合があります。超音波検査を追加するかどうかは、医師と相談して選びましょう。検診の内容や費用は、お住まいの自治体の案内でご確認ください。

手順2:検診の「質」について知る

検診を受ける医療機関の体制について知りたいときは、その医療機関に相談してください。ピンクリボン京都では、乳腺超音波技師向けの講習会を開催するなど、検診の質の向上に取り組んでいます。

手順3:ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活)の実践

検査だけに頼らず、日常生活の中で自分の乳房の状態を知る「ブレスト・アウェアネス」が大切です。以下の4つのポイントを習慣化しましょう。

  • 自分の乳房の状態を日頃から見て、触って、感じる。
  • 乳房の変化(しこり、皮膚のくぼみ、分泌物など)に気をつける。
  • 変化に気づいたら、次の検診を待たずに、すみやかに乳腺外科などの医療機関を受診する。
  • 定期的な検診を継続する。

よくある誤解:高濃度乳房は「再検査」が必要?

「高濃度乳房と通知されたら、精密検査を受けなければならないのか」という疑問を持つ方がいます。結論として、通知のみであれば、すぐに精密検査(要精検)が必要なわけではありません。

通知はあくまで「あなたの乳房はこういうタイプなので、マンモグラフィだけでは判定しにくい部分がありますよ」という情報提供です。精密検査が必要かどうかは、検診結果の通知の案内でご確認ください。検査の組み合わせは、医師と相談して選びましょう。

ピンクリボン京都の活動

ピンクリボン京都は、京都の専門医やNPO、行政、企業、学生が一体となって活動しています。私たちは、検診を勧めるだけでなく、乳がんに関する情報をわかりやすく伝え、誰もが納得して検診を受けられる環境づくりを目指しています。

ピンクリボン京都は、医師によるセミナーをYouTubeで配信しています。場所を問わずご覧いただけます。また、検診のイベントなどを通じて、乳がんを身近な課題として捉えるきっかけを提供しています。

まとめ:自分の乳房タイプを知り、検診に向き合う

乳がん検診で「高濃度乳房」と通知されたことは、あなたが自分の体と向き合うための大切なデータを得たということです。「マンモグラフィ+超音波検査」の組み合わせについて医師に相談し、定期的な検診と日々の自己チェックを続けること。このシンプルな積み重ねが、あなたの健康を守ることにつながります。ピンクリボン京都は、あなたの健やかな毎日を応援し続けます。知りたいことがあれば、医師によるピンクリボンセミナーや公式サイトもご覧ください。心配な点は、検診を受ける医療機関に相談してください。

しこり、分泌物、皮ふの変化、続く痛みなどに気づいたら、次の検診を待たずに受診してください。

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