コラム

乳がん治療中の運動で失敗しない!体力維持と心のケアを両立するコツ

乳がん治療中の運動は「無理をしない」が成功の鍵です

乳がんの治療を受けながら「体力を落としたくない」「少しでも体を動かしてリフレッシュしたい」と考えるのは、前向きで素晴らしい一歩です。しかし、治療中の体は想像以上にデリケートな状態にあります。結論から申し上げますと、乳がん治療中の運動で失敗を避けるためには、主治医の許可を得た上で「今の自分の体調に合わせた低強度の運動」から始めることが最も重要です。

治療の種類によっては、倦怠感や関節の痛み、リンパ浮腫のリスクなど、考慮すべき点が多岐にわたります。自己判断でハードな運動を始めてしまうと、かえって疲労が蓄積したり、治療の継続に支障をきたしたりする恐れがあるからです。この記事では、ピンクリボン京都が培ってきた専門医や支援団体とのネットワークから得た知見をもとに、治療中の運動における失敗回避のポイントを具体的にお伝えします。

治療中の運動でよくある「失敗」と「誤解」

運動を始める前に、まずは多くの方が陥りやすい失敗パターンを知っておきましょう。これらを避けるだけで、安全に運動を継続できる確率がぐっと高まります。

「以前と同じように動ける」という思い込み

治療前のアクティブな自分を基準にしてしまうと、思うように動けない自分に落胆し、精神的なストレスを感じてしまうことがあります。抗がん剤治療やホルモン療法中は、血流や代謝が変化しているため、少しの動きでも息切れや動悸を感じやすいのが一般的です。今の自分を否定せず、新しい基準でスタートすることが大切です。

体調が悪い時でも「継続」を優先してしまう

「毎日歩くと決めたから」と、吐き気や強い倦怠感がある時まで無理に運動を続けてしまうのは逆効果です。治療中の運動の目的は、記録を更新することではなく、生活の質(QOL)を維持することにあります。休むことも立派な治療の一環であると心得ましょう。

失敗を回避するためのステップ別・運動ガイド

安全に、そして効果的に運動を取り入れるための具体的な手順を整理しました。以下のステップを意識して、自分のペースを見つけてください。

ステップ1:主治医への確認と相談

どのような運動を、どの程度の頻度で行いたいかを具体的に医師へ相談します。特に以下の症状がある場合は、必ず事前に伝えておく必要があります。

  • 骨転移の可能性がある、または診断されている場合(骨折のリスク管理)
  • 貧血気味でめまいや立ちくらみがある場合
  • 免疫力が低下している時期(人混みでの運動を避ける必要があるため)
  • 手術した側の腕に違和感や腫れ(リンパ浮腫の兆候)がある場合

ステップ2:強度の低い「ゆるい運動」から開始する

最初は「少し物足りない」と感じる程度から始めます。家の中でのストレッチや、近所の散歩(5分〜10分程度)が適しています。ピンクリボン京都では、京都の美しい景色を楽しみながら歩く「スタンプラリー&ウォーク」などのイベントも開催していますが、こうした外に出る機会も、自分の体調を最優先に調整することが継続の秘訣です。

ステップ3:心拍数と自覚症状をモニタリングする

運動中、息が切れて会話ができないほどの強度は避けてください。「やや楽である」から「ややきつい」と感じる手前で止めるのが目安です。また、運動後に翌日まで疲れが残る場合は、明らかに強度が強すぎます。その場合は、次の運動時間を半分にするなどの調整を行いましょう。

乳がん治療中に推奨される運動メニューと注意点

治療中でも取り入れやすく、メリットの多い運動を具体的に挙げます。ただし、術後の経過や治療内容によって最適なものは異なります。

ウォーキング(有酸素運動)

最も手軽で、心肺機能の維持に役立ちます。京都の鴨川沿いや公園など、平坦で休みやすい場所を選びましょう。注意点として、夏場の炎天下や冬の極寒の時間帯は避け、体温調節がしやすい服装を心がけることが失敗を防ぐポイントです。

ヨガやストレッチ

深い呼吸を合わせることで、治療による不安やストレスを和らげる効果が期待できます。ただし、手術した側の腕を強く伸ばしたり、体重をかけすぎたりするポーズには注意が必要です。専門のインストラクターや、乳がん経験者向けのプログラムを利用するのも一つの手です。

軽い筋力トレーニング

ホルモン療法による副作用で筋肉量や骨密度が低下しやすいため、無理のない範囲でのスクワットなどは有効です。ただし、重いダンベルなどを使った負荷の高いトレーニングは、リンパ浮腫を誘発する可能性があるため、必ず専門家の指導を仰いでください。

運動を継続するための「心の持ち方」と環境づくり

治療中は体調の波が激しいため、モチベーションを維持するのが難しい時期もあります。そんな時は、以下の視点を取り入れてみてください。

  • 「3割できれば満点」と考える: 予定していた運動の3割しかできなくても、動こうとした自分を褒めてあげてください。
  • 仲間や情報の力を借りる: ピンクリボン京都が配信するYouTubeセミナーでは、専門医が最新の情報を発信しています。正しい知識を得ることで、「なぜ今この運動が必要なのか」という納得感が生まれ、前向きに取り組めるようになります。
  • 記録をつける: その日の体調と、行った運動を短くメモしておくと、主治医への報告がスムーズになり、自分のバイオリズムも把握しやすくなります。

まとめ:あなたのペースで、健やかな毎日を

乳がん治療中の運動は、決して他人と競うものではありません。大切なのは、自分の体の声に耳を傾け、失敗を恐れずに「心地よい」と感じる範囲で続けていくことです。 運動を通じて体力が維持できれば、治療への自信にもつながり、日常生活の質も向上します。

ピンクリボン京都は、2006年の設立以来、京都の専門医、企業、行政、そして市民の皆様と連携し、乳がんと向き合う方々をサポートしてきました。検診率の向上だけでなく、治療中の方々が自分らしく過ごせるような情報発信やイベントも大切にしています。もし不安なことや知りたいことがあれば、ぜひ私たちの活動やリソースを活用してください。一人で抱え込まず、地域全体で支え合う輪の中に、あなたも加わってみませんか。まずは無理のない一歩から、一緒に始めていきましょう。

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