乳がん手術の種類を解説|納得して選ぶための手順と基礎知識
乳がんの手術にはどのような種類があるのか?
「乳がんと診断されたけれど、どのような手術方法があるのかわからない」「自分にとって最適な選択は何だろう」と、不安や疑問を感じていませんか。乳がんの手術は、がんを確実に取り除くと同時に、その後の生活の質(QOL)を維持するために非常に重要なステップです。現在では医療の進歩により、一人ひとりの病状やライフスタイルに合わせた多様な選択肢が用意されています。
結論からお伝えすると、乳がんの手術は大きく分けて「乳房温存手術」と「乳房全切除術」の2種類があり、そこに「乳房再建術」や「リンパ節の手術」を組み合わせて検討します。どの方法を選んでも、適切な治療が行われればその後の生存率に大きな差はないことが一般的ですが、術後の形状や治療期間、日常生活への影響が異なります。納得のいく選択をするためには、それぞれの特徴を正しく理解し、専門医とじっくり対話することが不可欠です。
ピンクリボン京都は2006年の設立以来、京都の専門医や行政、企業と連携し、乳がんの早期発見・早期治療の重要性を伝え続けてきました。活動開始当初は9.8%だった検診率を全国平均超えまで引き上げた実績を持つ私たちが、手術の種類に関する最新の知識と、後悔しない選択のためのポイントを詳しく解説します。
乳房手術の主な2つの種類:温存か全摘か
乳がんの手術において、乳房そのものをどのように切除するかは最大の関心事でしょう。ここでは主要な2つの方法について詳しく見ていきます。
1. 乳房温存手術(乳房部分切除術)
がんとその周囲の正常組織を一部切除し、乳房の形をできるだけ残す方法です。メリットは、自分の乳房を残せるため心理的な負担が比較的少なく、体への侵襲も抑えられる点にあります。
- 適応の目安:がんの大きさが一定以下(通常3cm程度まで)で、がんが広範囲に広がっていない場合に検討されます。
- 術後の治療:温存した乳房内にがんが再発するのを防ぐため、原則として術後に放射線治療を組み合わせる必要があります。
- 注意点:がんの場所や切除量によっては、乳房にひきつれや左右差が生じることがあります。
2. 乳房全切除術(乳房全摘術)
乳頭や皮膚を含めた乳房全体を切除する方法です。がんが広範囲に及んでいる場合や、複数の場所にがんがある場合に選択されます。
- メリット:乳房をすべて取り除くため、局所再発のリスクを最小限に抑えられます。多くの場合、術後の放射線治療を省略できることもメリットの一つです。
- 注意点:乳房を失うことによる心理的ショックや、体のバランスの変化を感じる場合があります。
- 代替案としての再建:乳房を失う不安に対しては、後述する「乳房再建手術」を同時に、あるいは後日行うことで、乳房のふくらみを取り戻すことが可能です。
脇のリンパ節に関する手術の種類
乳がんの手術では、乳房だけでなく、脇の下(腋窩)のリンパ節にがんが転移していないかを確認する手術も併せて行われます。
センチネルリンパ節生検
がん細胞が最初にたどり着くリンパ節(センチネルリンパ節)を特定し、手術中にその一部を採取して調べます。ここに転移がなければ、他のリンパ節を温存できるため、術後の脇の腫れやしびれ、腕のむくみ(リンパ浮腫)などの合併症を大幅に軽減できます。現代の乳がん手術において、標準的に行われる重要な手順です。
腋窩リンパ節郭清(えきかりんぱせつかくせい)
術前の検査やセンチネルリンパ節生検の結果、リンパ節への転移が認められた場合に行われます。脇の下のリンパ節を一定の範囲ですべて取り除く処置です。再発を防ぐために必要な処置ですが、術後にリハビリテーションが必要になる場合があります。
乳房再建手術:形を取り戻すという選択
乳房全切除術を選択した場合でも、形成外科医と協力して乳房の形を再建することが可能です。ピンクリボン京都のセミナーでも、再建手術に関する最新情報は多くの関心を集めています。
再建のタイミングによる違い
- 一次再建:乳がんの切除手術と同時に再建を開始する方法です。手術回数が少なく、乳房を失った状態の期間がないため、精神的な負担を軽減できるメリットがあります。
- 二次再建:乳がんの手術が終わってから、数ヶ月〜数年後に改めて再建を行う方法です。まずはがんの治療に専念し、落ち着いてから再建を検討したい方に適しています。
再建の方法による違い
- 自家組織による再建:自分のお腹や背中の筋肉・脂肪を移植する方法です。自然な柔らかさが得られ、経年変化も自分の体の一部として馴染みますが、採取した場所に傷が残るという側面もあります。
- 人工物(インプラント)による再建:シリコン製のインプラントを挿入する方法です。他の部位を傷つける必要がなく、手術時間も短いのが特徴です。現在は保険適用となるケースも増えており、選択しやすくなっています。
手術方法を決定するための5つのチェックリスト
納得して手術に臨むために、以下の項目を確認しながら医師と相談を進めましょう。
- がんの状態の把握:がんの大きさ、場所、広がり、性質(サブタイプ)について十分な説明を受けましたか?
- 術後の生活のイメージ:温存した場合の放射線治療に通えるか、仕事や家事への復帰時期はどうなるかを確認していますか?
- 再建の希望:乳房の形を残したい、あるいは作り直したいという希望を医師に伝えていますか?
- メリット・デメリットの比較:それぞれの術式における再発率の違いや、合併症のリスクを理解していますか?
- サポート体制:家族やパートナーの理解、そしてピンクリボン京都のような啓発団体が提供する情報の活用はできていますか?
よくある誤解:全摘の方が生存率が高い?
「乳房を全部取ってしまった方が、がんが完全に治るのではないか」という声をよく耳にします。しかし、多くの臨床研究において、「乳房温存手術+放射線治療」と「乳房全切除術」では、生存率に差がないことが証明されています。
大切なのは、がんを取り除く「根治性」と、術後の「QOL」のバランスです。全摘が必ずしも「最善」とは限らず、温存が「不完全」なわけでもありません。専門医・NPO・行政・企業が連携する京都の医療体制は、こうした科学的根拠に基づいた最適な治療を、患者さん一人ひとりに寄り添って提供することを目指しています。
ピンクリボン京都と共に歩む納得の選択
乳がんの手術は、人生における大きな決断の一つです。しかし、あなたは一人ではありません。ピンクリボン京都は、2006年から続く歴史の中で、数多くの女性たちが不安を乗り越え、自分らしい道を選択する姿を応援してきました。
私たちは、島津製作所やワコールといった有力企業、そして京都の専門医たちと協力し、信頼性の高い情報を発信し続けています。手術の種類についてより深く知りたい方は、専門医が登壇するセミナーのYouTube配信をぜひご活用ください。場所を問わず、最新の医療情報にアクセスできる環境を整えています。
また、手術を検討する前段階として、日頃からの自己チェック習慣も非常に重要です。自分の体の変化にいち早く気づくことが、より低侵襲な(体への負担が少ない)手術方法を選択できる可能性を高めます。ピンクリボン京都の公式サイトでは、正しい自己チェックの方法も詳しく案内しています。
早期発見、そして納得のいく治療選択。そのすべてが、あなたの健やかな未来へと繋がっています。不安なことがあれば、いつでも私たちの活動を頼ってください。京都の街全体で、あなたの健康を支えていきます。
まずは一歩、行動してみませんか?
- 乳がん検診の申し込みをする
- ピンクリボンセミナーを視聴する
- 乳がんの自己チェック方法を確認する
- 寄付・協賛で活動を支援する
- スタンプラリー&ウォークに参加する
- 啓発ツール・グッズを入手する
- お問い合わせ・メールで活動に参加する
詳細は、ピンクリボン京都の公式サイト(https://pinkribbon-kyoto.jp/)をご覧ください。